コラム
学生のころ東北でのスキー登山(雪深い山に歩行用のスキーをはいて入る)の際、入山前に乳頭温泉郷の露天風呂につかった。
宿泊ではなく入湯のみ。その日の宿泊は湯治場の一室を借りてザコ寝。学生だからできるワザ。
この時は明日からの山行が心配になるような大雪。
脱衣所で裸になって、露天風呂へ雪の上を雪吹かれながら歩い行く。
寒い。
静寂の中しんしんと降ってくる雪。ピンと張り詰めた冷気。
そして温泉のぬくもり。
風呂に浸かりながら、ひたすら舞い続ける雪を頭に受ける。
寒さに打ち勝っているというか、なんとも言えない優越感に似た感情。
明朝から厳冬の雪山に入る。今一瞬のこの心地よさはまさに一期一会。
そんな気持ちもあいまって、とても幻想的なひとときだった。

